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創世記 第10,11章研究解読



第10章 10章8〜9節 第10章21節 10章25節
第11章序文 第11章8〜9節 第11章10〜26節 第11章31節



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2004/ 6/15  第10章21節、第11章31節 UP
2004/ 6/14  第10章 UP
1999/ 1/ 4  第11章8〜9節、10〜26節、序文 UP
1998/12/28  第10章8〜9節、25節 UP




第10章


 第10章に記されているノアの息子たちから始まる系図は、聖書の世界や実際の地上の民族がどのようにして増え広がっていったのかが記録されている最も古い部分です。古代の遺跡からは現在も碑文が刻まれた石板や粘土板が見つかっていますが、多くの物は文字の解読が難しいため正確な解読が進んでいないのが現状となっています。聖書の歴史は4000年以上もあり、他の宗教の聖典は聖書ほど年代の確定がされていないために、古代の地名や民族の名を現在と比較する場合には、どうしても聖書の記述を頼る必要が生じてきます。また、聖書の記述ほど地名や民族の出生を明らかにしているものはありません。発掘された粘土板などを測定して1万年や2万年前という結果が出ても、測定方法そのものが正確ではない場合も多いので、信頼性は低いものです。

 よく使われる方法は放射性炭素14法という年代測定法ですが、もっと正確に年代が検出できると言われる熱ルミネッセンス法を使った測定はなぜかあまり行われていません。多くの学者は聖書の記述を信用していないのが最もな原因です。たとえ正確に測定したとしても、自分たちの都合のいい年代がでなければ採り上げることもありません。また、学者個人の名誉や名声を得たいがために、より古ければ注目されるので、故意に年代を古いものにするなどの捏造行為を行って自分の仮説に近づけようとする学者さえいます。

 聖書は翻訳に翻訳を重ねてきたり、民族同士の戦争などで失われた部分もあって完全に正確であるとは言えないまでも、他のどの書物よりも古代の歴史をより多く記してあります。今後の発掘による調査と遺物の解読が待たれます。

 聖書に記されている名前は、古代の族長に遡るほど名前がそのまま地名や部族の名になっている場合があります。以下は地名や部族名となっている人の現在との関連をまとめたものです。


ヤペテの部族 カスピ海周辺やヨーロッパ大陸、インドにかけて分布。ゴメル、マゴク、
トバル、メセク、トガルマについてはエゼキエル第38章2〜6節を参照。
インダス文明形成の可能性有り。
ヤワンの子孫
(創世記10章4〜5節)
エリシャ
地名
(エゼキエル27章7節)
タルシシ
地名
スペイン付近
キッテム
地名
キプロス島
ロダニム
地名



セムの部族 中東から東アジアにかけて分布。メソポタミア文明
エラム
地名・部族名
(創世記10章22節)
チグリス川北東部の山岳地帯。後のペルシア領エラム州(ダニエル8章2節、ネヘミヤ1章2節)、現在のイラン・イスラム共和国デズフール付近。エラム州の首都はスサ
アシュル
地名
(創世記10章22節)
チグリス川上流、現在のイラク共和国アシュシャルカート付近。アシュルと古代王国アッシリアの都市アッシュールとの関係は不明。しかし古代バビロニアはセム族から出ていると考えられており、何らかの関係があると推測される。
アルパクサデ
(創世記10章22節)
アルパクサデの孫
ヨクタンの子孫

(創世記10章22〜25節)
シバ
地名
(創世記10章27節)
アラビア半島・イエメン共和国付近。
(列王記上10章1節
オフル
地名
(創世記10章28節)
アラビア半島内・古代の金の産出地。
アルパクサデの子
シラ

(創世記10章24節)
シラの子
エベル
部族名

(創世記10章24節)
ヘブライ人の祖先。
(創世記第11章10〜26節
ルデ
(創世記10章22節)

アラム
地名

(創世記10章22節)
シリア付近
シバはセムとハムのどちらにもありますが、子孫の名にシバとオフルと一緒に記されている記述の方をセムの部族としました。



ハムの部族 中東付近からアフリカ大陸に分布。エジプト文明。
クシ
地名・国名・部族名
(創世記10章6〜7節、
エゼキエル第38章2〜6節

後のクシュ王国
(BC900年頃
スーダン、
エチオピア付近)
クシの子
ニムロデ

地名
(創世記10書8節)
チグリス川上流、イラク国内モスル南部
(創世記10章8〜9節
バベル
地名
(創世記10書10節)
(創世記11章1〜9節)
聖書では「シナルの地」となっているが、正確にはわかっていない。チグリスユーフラテス川中流イラク共和国バクダッド南方の「バビロン」は、バビロニアの王ナボポラッサルネブカデネザルがシナルの地にあった古代の塔を再建し、それにちなんで地名を付けたとも考えられる。
(創世記10章10節、11章1〜9節)
ニネベ
地名
アッシリアの首都、チグリス川上流、現在のイラク国内・モスル北部。
ミツライム
(創世記10章8節)
エジプト
(歴代志上1章8節)
アフリカ大陸先住民。ハムの妻
エジプタスの子パロ(ファラオ)
がエジプト国初代の王となる。
ミツライムのカフトリ族から出たペリシテ族・ペリシテ人
(パレスチナ)
(創世記10章14節)
イスラエル西部
ガザ地区周辺
プテ
地名
リビア、チュニジア、アルジェリア、モロッコ付近(エゼキエル第38章2〜6節
カナン
地名・部族名
(創世記10章6、
15〜19節)
地中海東部、レバノン西部地中海沿岸、イスラエル、パレスチナ(ペリシテ)付近/「カナンの地」
シドンびと
地名・部族名(創世記10章15節)
古代フェニキア
現レバノン共和国・サイダー市
ヘテ(ヒッタイト)びと
地名・部族名(創世記10章15節)
古代フェニキア
現トルコ共和国アナトリア付近
エブスびと
部族名(創世記10章16節)
カナンの地
アモリびと
部族名(創世記10章16節)
カナンの地
ギルガシびと
部族名(創世記10章16節)
カナンの地
ヒビびと
部族名(創世記10章17節)
カナンの地
アルキびと
部族名(創世記10章17節)
カナンの地
セニびと
部族名(創世記10章17節)
カナンの地
アルワデびと
地名・部族名(創世記10章17節)
シリア・アラブ共和国タルトゥース付近
ゼマリびと
部族名(創世記10章18節)
カナンの地
ハマテびと
地名・部族名(創世記10章18節)
シリア・アラブ共和国ハマー付近





10章8〜9節

8節 クシの子はニムロデであって、このニムロデは世の権力者となった最初の人である。
9節 彼は主の前に力のある狩猟者であった。これから「主の前に力のある狩猟者ニムロデのごとし」ということわざが起こった。


 ニムロデはサタンの典型となる「バビロン」を創設した人物です。
 これとは対照的に、同時代の族長にメルキゼデクがいましたが、彼の町はまさに「神の町」の典型であってあらゆる社会の中で最も自由な町と言われるエノクの町「シオン」にならって統治していました。

 ニムロデという名は、マラド(marad)「彼は背いた」という言葉に由来しており、非常に悪い人間であった可能性が高いといわれています。また、古代ユダヤの聖典の翻訳者であるタルグムの歴代史上1章10節には、「ニムロデは強大な者となって罪を犯し始めた。また、罪のない人を殺し、主の前に反抗する者となり始めた」となっています。エルサレムタルグムでは、「彼は狩りをすること(獲物を捕ること)において強大な者であった。また、神の前に罪を犯すことにおいても強大な者であった。彼は様々な民の人の子を狩る者だったからである。」 そしてニムロデは自分の配下の者に、「セムの教えを離れ、ニムロデのしきたりに入れ」と言ったとあります。

 ヨナタン・ベン・ウジエルのタルグムでは、「世の基が置かれてからこのかた、狩りをすることにも、主に反抗することにも、ニムロデのように強大な者はひとりもいなかった」となっています。シリア人はニムロデのことを 「好戦的な巨人」と呼んでいます。tsayid・・・という語は、今は「狩りをする人」と訳していますが、本来は「獲物」という意味であって、聖書にあてはめると迫害と圧政と暴虐によって、「人を狩る」という意味になります。

 これにによるとニムロデは、権力を手中にしたために、それを暴虐と圧政のために乱用したものと考えられます。そしてその後に略奪と暴力によって、地上で最初に「王国」と名のつく国(バビロン)を創設しました。「クシ」とはハムの子孫で、アフリカ大陸にクシュ王国を創ったと言われている族長です(創世記第10章)。




第10章21節

21節 セムにも子が生まれた。セムはエベルのすべての子孫の先祖であって、ヤペテの兄であった。


 聖書の記述では「セムはヤペテの兄」となっていますが、モーセの書8章12節ではこのように記されています。

 「ノアは四百五十歳でヤペテをもうけ、42年後にヤペテの母によってセムをもうけ、五百歳のときにハムをもうけた。

 ここにはヤペテがセムの兄であることが書かれていますが、なぜ違いがあるのかはよく分かっていません。現在の聖書の原形は預言者エズラがまとめたものですが、エズラの編纂したときに誤植があったのか、それとも後代の写本を製作するときに誤りや意図的な改ざんがあったのかもしれません。モーセの書は聖書の筆記者と同じ神の霊感によって書かれてあるので、モーセの書の方が正確であると考えてもさしつかえはないでしょう。エベルはヘブル人の先祖であると考えられています (創世記第11章10〜26節)。





10章25節

25節 エベルにふたりの子が生れた。そのひとりの名をペレグといった。これは彼の代に地の民が分かれたからである。その弟の名をヨクタンといった。


 地が分かれたというのは、地上に住む人々が氏族や民族によって地球を分割したということではなく、実際に大陸そのものが割れたことを意味しているものと考えられています。今の学説でも年代は別として、古代のある時代には大陸が一つであったことを証明しており、この先地上は南極大陸を含め、再びもとの巨大な大陸に戻ると言われています。この大陸の移動は、現在の学説と聖書の記録と預言の一致が見られる貴重なものです。




第11章


 創世記のこれまでの11章は、古代の族長たちの生涯を扱っていますが、これで人類の全歴史のおよそ3分の1を略述したことになります。当然のことですが、これだけ凝縮すると有益な情報をかなり省略しなければなりません。モーセはこの歴史を書くにあたり、世界の歴史の中でも最も著しい対象について現代の人々に書き残しています。

 堕落を契機に、世の人々はふたつの正反対の方向に向かって動き出しました。一方はアダムとエバの教えに従って、正しく完全になろうとする努力を始める人々と、もう一方はサタンとその僕たちの巧妙な誘惑に負けて、腐敗と邪悪のの深みにはまっていく人々です。この時代、2本の道は程なく両極に達し、エノクの指示のもとではひとつの社会全体がほぼ完全になって神のもとへ引き上げられて、その後700年にわたって神の目に適った人は、あのエノクの市に向かえ入れられていました。しかし、神の目に適っていなかった人々は、邪悪にはまりすぎて滅ぼされることさえ祝福となるほど落ちて行ったと考えられます。

 今現在、こうしたことが再び起ころうとしており、同じように劇的な対称と分離が現代社会に見られます。キリストは使徒たちに、歴史の上でもう一度繰り返されると言っていました。では、このような事が世に蔓延した場合、どのようにしたらいいのでしょうか。それは、人としてどれだけ「正しく生きているのか」にすべてがかかっています。ノアの大洪水の時も、結局生き延びたのは義なる人であり、正直な人であり、他人に対して思いやりと寛容のある人たちでした。今の世の中では笑う人もいますが、「心に愛が宿っている人」でなければ、世の中の邪悪さに気がつかないまま深みにはまり抜け出せなくなってしまう恐れがあります。

 つまり、「心に愛の宿っている人」には自然と神による守りがあるので、自分やその家族や周りの人たちとその良い状態を保っていれば、人の造った防御施設などに入らなくてもいいことになります。要するに、人の作る誤った社会的慣習に染まらなければいいということでもあり、このようによく注意していれば、いろいろな出来事に対し、的確な対処を予測できる先見力を持つことができます。人は行き詰まったり迷ったりは必ずします。そんな時は、だめだと投げてしまう前に、ヤコブの手紙第1章を読むことをお勧めします。きっと何らかの方法が見えてくることでしょう。




第11章8〜9節

8節 こうして主が彼らをそこから全地のおもてに散らされたので、彼らは町を建てるのをやめた。
9節 これによってその町の名はバベルと呼ばれた。主がそこで全地の言葉を乱されたからである。主はそこから彼らを全地の表に散らされた。


 現在地上になぜこれほどまでに多くの言語が存在するのかという説明に加えて、このバベルの塔の記録には、人がどれほど速く大洪水の教訓を忘れ、神に背き始めたかということが示されています。つまり、言葉が乱されてから「散らされた」のではなく、散らされたので「言葉が乱れた」という意味です。狭い日本でも多くの方言があるのと同様、地域が閉鎖的になると同じ国でも相当な違いが発生する現象が世界中の国々で見ることができます。




第11章10〜26節

10節 セムの系図は次のとおりである。セムは百歳になって洪水の二年の後にアルパクサデを産んだ。
26節 テラは七十歳になってアブラムナホルおよびハランを産んだ。


 この10〜26節の族長の系譜から幾つかのことがわかっています(第10章)。
 例えば、セムは次の10世代と共に生活する程長生きをしています。セムはアブラハム、イサク、ヤコブが生まれた時にはまだ生きており、セムがメルキゼデクであるとする考えがあります。かなりの学者が、エベルという名前がその子孫のヘブル人を指すために使われたのではないかと考えているようです。これはセムの子孫がセム人、カナンの子孫がカナン人と呼ばれたのと同様です。(第12章4節




第11章31節

31節 テラはその子アブラムと、ハランの子である孫ロトと、子アブラムの妻である嫁サライとを連れて、カナンの地へ行こうとカルデヤウルを出たが、ハランに着いてそこで死んだ。


 この節では、テラがその家族全体を率いてウルを出て、ハランを通ってカナンの地に行こうとしたことが記されています。しかし、アブラハムが残した書物には父テラが率いたのではなく、アブラムが神に命じられてカナンに行こうとしたことが記されています。(アブラハム2章3〜5節)。テラが死んだハランの地は、ユーフラテス川上流のイラク国内ラッカから支流に分け入った先にあります。




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